地方公務員が病んで転落しつつある話

偶の理性と心の反吐を書き散らす

大型特殊免許を取得した。

 ホイールローダーを運転していく。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3a/Hitachi_ZW150_wheel_loader_at_Construct_Expo_Utilaje_2010.JPG/1920px-Hitachi_ZW150_wheel_loader_at_Construct_Expo_Utilaje_2010.JPG

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仕様

 セミAT車で1~3速ギアと、ニュートラル、前進、後進のギアのレバーが別々にある。車高は普通車より高く、前輪が直接見える。運転用の各種装置は普通車と変わらないが、特徴的なのは3点。

 

1.ハンドルに突起が付いていて、片手でしっかり持ち、回せる。

2.ウィンカーレバーが自動で戻らないので、曲がった後は手動で戻す。

3.運転席右側にバケットの操作レバーとその安全レバーが付いている。

 

 走行するだけだとハンドルの突起は謎の存在だが、バケットを使う場合は右手がふさがるから、ハンドルを片手でしっかり持てるように付いていると思われる。走行だけなら使わなくてもいいと思うが、これを握って運転するように指導される。

 

運転

バケットの操作

 ホイールローダーバケットは駐車時は下して接地されているので、発射前にこれを上げる。そして、走り終わったら再び下して接地させる。運転免許ではこれだけ。

ギア、ブレーキ

 セミATなので特に難しくはない。発進時2速、坂道発進1速と、指定速度出すところは3速にするくらい。

 ブレーキは普通車と同じ感覚でよい。問題は停止位置で、バケットの先が停止線を越えたらアウト。

走行

 基本的に走行用の車両ではないので、時速10~20km程度で走ることになる。感覚的には常時徐行。直線とか「もっとスピード出して」と言われたりするけど、車体が揺れるしエンジン唸るし心配になる。

右左折

 普通車と一番違うのが曲がる時だ。ホイールローダーは車体が中央で折れる構造で、前後輪は同じ位置を通る。つまり、内輪差がなく、自動車のサイズが変わる(中型や大型)と最初に苦労する後輪の脱輪が起こらない。脱輪するとしたら前輪が先にそうなる。

 一方、脱輪の心配がないので、巻き込み防止のための寄せは自動車以上にしっかりしなければならず、これが慣れるまでちょっと大変。何も考えずに寄せていると、ミラーが標識などにぶつかりそうになるし、普通車の感覚でいると離れ過ぎてしまう。

 そして、どういう仕組みか分からないが、曲がった後にハンドルを戻してもなぜか元の位置に戻ってくれないように思う。ハンドルの突起が右側にくると、右手の添え場所に困る。片手運転は指摘されるし。

 

検定課題

踏切

当然坂道発進になるが、ATなので特に困らない。ただ、パワーウィンドウはない(私が運転した車種にはなかった)ので、出発前に窓が開いているか確認した方がいい(踏切は目視と音による確認が必要)。教習所だと試験官が開けておいてくれることもあるが、運転試験場の試験では期待できない。

方向転換

 脱輪の心配がないからか、S時もクランクもなく、唯一あるのが方向転換。サイドミラーで後輪の位置を確認するだけで、失敗する方が難しい。バックする前に360度安全確認する、後輪ばかり見ずに左側や後方の様子も確認する、これを怠ると安全不確認で減点される。

指定速度

 直線で時速25kmくらいまで出す。既に書いたが走行が主眼の車ではないので、エンジンは唸るし車体はガクガク揺れるしで何か間違えてるんじゃないかと思うくらい酷い有様になるが、そんなもの。ギアが3速に入っていれば大丈夫。

その他

 右左折、信号のある交差点の通過、停止などの標識や優先道路への進入、見通しの悪い交差点の通過(徐行)などあるが、どれも標識に従いつつ一般的な安全確認をするもの。

指定位置へ停車し、駐車

 道路左端に寄せて、ポールに車体先端(バケットを下して接地させた時の先端)を合わせて止める。目で確認できるのは前輪とポールの位置関係くらいなので、教習時間内に把握しておく。「降りて確認してもいいですか」と言って「ダメ」とは言われない。

 

修了検定

 私の話。

 特に問題なく進められたのだが、途中で検定コースを勘違いして、左折すべきところを右折しようとして車線右端に寄せるというポカをやらかした。当然「そこ左折」と言われて左に寄せ直したが、これはねぇ、急ハンドルか車体のふらつきで減点喰らったと思う。

 検定が終わると、こちらは合否を気にして緊張しているのに、総評というか問題点の指摘から入るのが仕様なのだろうか。あれは不安を煽るのでやめてほしい。

 交差点で左右の安全確認ができていないとか、自動車の運転一般の注意ばかりだった。大特6時間の教習ではそういうことはやらなかったが、確かに運転の検定なら見られるよな。20年前はそういうのやってた気がする。いや、正確には安全確認しているのだが、試験における左右確認は視線だけじゃなく首も振らなきゃいけないし、後方確認は顔だけじゃなく肩をぐっと引かなきゃ駄目だよね。

 

 結果は合格だったが、教習原簿に鉛筆でメモられていた点数は75点。70点がラインのはずだから、ギリギリじゃねぇか。途中でコース間違えかけたのが一番だろうが、安全確認不足も取られたんだろう。とにかく、合格で良かった。

 

 後日、免許更新したら元々の更新時期を待たずゴールドになり、有効期限も伸びた。なるほど、こういうメリットもあるのか。