地方公務員が病んで転落しつつある話

偶の理性と心の反吐を書き散らす

移動式クレーン運転士学科試験

 私の選んだ教習所では、「実技教習のみ」と「実技+学科対策」の2コースあって、差額は24,000円。得体の知れない学科に無対策で突っ込むのは無謀と思って後者にしたが、これは失敗だった。

学科試験の概要

試験会場

 自動車免許を取った人ならご存じのとおり、学科試験は運転免許試験場で受ける。これは、移動式クレーン運転士も同じで、こちらの場合は安全衛生技術センターという場所で受ける。

 そして、運転免許試験場は各都道府県に1つはある(と思う)が、この安全衛生技術センターは、なんと全国で7ヵ所しかない。わーお。

https://www.exam.or.jp/exmn/img/map_initial.gif

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 北海道、宮城県、千葉県、愛知県、兵庫県広島県、福岡県が選ばれし者たちで、外れた40都府県の人は大変だ。

試験内容

移動式クレーン運転士は次の4つの科目がある。

移動式クレーンに関する知識

・原動機及び電気に関する知識

・関係法令

移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識

五肢択一のマークシート式、各科目10問で計40問。

合格基準は各科目最低4割正解しつつ、全科目で6割正解すること。原動機や力学はともかく、クレーンや法令について半分も理解してない奴が免許取れていいのか、と思わなくもない。

科目の内容

各科目はどのような内容なのか軽く紹介する。

移動式クレーンに関する知識

 移動式クレーンの種類、構造、特徴など。

 クレーンの種類によって異なる安定性の説明、各部の名称、種類に応じた安全対策、運転の仕方などが問われる。

原動機及び電気に関する知識

 原動機とはこの場合はエンジン。ガソリンだとディーゼルだの、4ストだの2ストだのについて、簡単な構造や動作原理、各パーツの説明など。

 そして、移動式クレーンで最も大事な油圧について。

 クレーンがエンジンと油圧で動いているので、電気に関して大したことは聞かれない。日本の電力は50Hzと60Hzがあるとか、交流はACで直流DCだとか。ただ、移動式クレーンは電線に引っ掛けての感電事故が起きるため、その辺は出る。

関係法令

 法律と聞いただけで嫌になる人もいそうだけど、一番紛れがないと個人的には思う。税法や民法と違って解釈が~とか運用が~という話にはならない。

 クレーン等安全規則移動式クレーン玉掛けの部分だけ読めばいい。一部の定義が労働安全衛生法施行令に書いてあるが、ちょっと置換するなりメモ書きすればいい程度なので大丈夫。完璧にしたいなら、労働安全衛生法の免許に関する部分を読んで、免許の欠格事由や書き換え手続き、失効する場合あたりを確認しておく。

移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識

 簡単。ほぼ高校の文理が分かれる前に習う物理レベル。一部に初歩の初歩とはいえ材料工学もあるが、本当に概要だけだから手間はない。

 唯一面倒だと思ったのが、各種材料の密度を暗記しなければならないこと。

鉛:11.4t/㎥

銅:8.9t/㎥

鋼:7.8t/㎥

鋳鉄:7.2t/㎥

アルミ:2.7t/㎥

コンクリート:2.3t/㎥

問題文に書いてることもあるが、この数字を直接聞かれることもある。実務で覚える意味ある?

結論

 3日間、フルタイムで教習所に缶詰にされるのがひたすら苦痛なだけで、学科教習は必要なかった。そこまでの難度はない。

 学科教習を付けると「移動式クレーン運転士教本」と「移動式クレーン標準問題集」という冊子を貰えるが、これは日本クレーン協会が販売していて、送料込みで4千円弱で買えるし、問題集は別に要らない。自分で買って読めば済む。

 ただ、普通の本屋には売ってない。amazonにも売ってない。

 

 というか、何なら本なんて必要なかった。

www.crane-club.com

 こちらのページを読むと、教本とほぼ同じ内容が載っている。そして、過去2回分の過去問なら公式に公開されているから、これで十分。

 

 こんなこと言っといて、試験落ちたら格好悪いな。