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クレーン運転士の実技教習を受けた話

 学科試験は合格済みだが、実技を免許センターで受けるのは、自動車同様に無謀なので、良いお値段はするが教習で済ます。

 

 資格の名称は「クレーン・デリック運転士」となり、多種多様な形式があるのだが、教習で使うのは下図のようなやつ。

https://www.shi.co.jp/shi-mh/img/product/ceiling-allpurpose/02.jpg

住友重機械搬送システム株式会社 - 製品紹介 - 天井クレーン - 汎用型

 

 建屋の両サイドに走行レールがあり、緑の本体(クレーンガーター)が上図だと奥行方向へ走行する。そして、黄色いのがフックで左右方向に走行(横行という)する。クレーンガーター右端にあるのが運転席である。

 

 運転席がなく床上で操作するもの、ジブを備え旋回する操作方法が移動式クレーンと同様のもの、デリックといったものは操作感覚が全然違うはずだが、教習は天井クレーンである。

 

 天井クレーンの運転の難しさは次のとおり。

 

0.移動式クレーンを運転したことがあると、地切る操作感覚が難しい。あちらは荷重がデジタル表示されているので、玉掛けロープが張った瞬間がはっきり分かる。一方の天井クレーンは、少なくとも教習用は、そういった表示はないので目で見て判断するしかない。

 

1.視点が見下ろしになるので、距離感等が掴み難い。実務なら、普通は誘導者がいるからいいが、修了検定は自らの目視でコースを回らなければならない。

 ちなみに、前後の距離感が分かり辛いのは移動式クレーンでも同じだが、あちらは作業半径がデジタル表示されているので間違えようがない。

 

2.走行と横行を同時に操作して斜め移動する必要がある。走り始めは操作レバーを同時に入れる必要はないが、止めるときは上手くやらないと荷が揺れるわけで、失敗すると立て直しがしっちゃかめっちゃかになる。

 

 まあ、教習時間8時間やってれば、試験コースを回るくらいはできるようになりますが。自動車教習でもそうだけど、教官は操作の入り切りのタイミングを教習施設にしかない目印で教えてくることが多い。しかし、それを覚えたところで試験でしか使えないし、その試験ですらイレギュラーに対応できない。

 個人的には、タイミングを取りたいのであれば、荷の振れに合わせて操作するのが一番だと思う。振り子の周期の式を覚えているだろうか。そう、荷の高さ(ワイヤーの長さ)が一定なら、荷の振れる時間も同じである。振れ幅は関係ない。

 

 ところで、今日が修了検定だったのだけど、たまたま床上クレーン技能講習を別棟でやっていたのでちょっと見学していた。荷が目の前にあって、コースに沿って自身が移動できるって凄く楽じゃない? 荷の高さも地面にいるから間違えようがない。