地方公務員が病んで転落しつつある話

偶の理性と心の反吐を書き散らす

中型自動車免許の限定解除をした話。

 私が自動車免許を取得したのは2003年。道交法の改正は2007年なので、現在は中型免許(8tに限る)になっている。

 

 普段は普通車しか運転しないので、率直に言って全く必要ない。仮にドライバーに転職するとしても、今でも4tトラックなら運転できるし、大型の運転には大型免許が必要だ。

 

 ではなぜか? 今は何でもいいから資格取ってる状況だから。

 

 もちろん、その不合理な理由をを踏まえた上での合理的な理由もある。

 

1.大特を取った教習所なら、入校料がかからず5万円で取れる。

2.大型の教習料金を見たら、所持免許が中型(8t限定)か中型かで差額が5万円。

3.中型も大型も教習車はMTだが、私はMTについてはペーパードライバー。

4.教習は実技のみで5時間+修了検定なので、時間的には手軽。

 

 「使いもしないのに」と言い出すと、大特も移動式クレーンも使わないのだから今更である。というわけで、やってみた。

中型車の特徴(教習時)

1.運転席が右前輪のほぼ真上にある。自分が車体右側の縁石の真上にいる感じでも脱輪しない。

2.内輪差が大きいので、曲がる時は車線の真ん中まで出てからハンドルを切る感じにしないと脱輪する。

3.ブレーキの効きがすごく良い。普通車の感覚で踏むと急ブレーキになる。当然、エンストする。

4.車体が長く、後輪より後ろも長いので、ハンドルを切った時に車体後端の振れも大きい。反対車線にはみ出たり、壁にぶつかったりするかもしれない。

5.左サイドミラーに車体前面を映すものがあるので、停止線などとの位置関係が分かり易い。ただし、停止線を超えてはいけないのはバンパーではなくサイドミラー(車体より前方に突き出ている)である。

1時間目

 最初は教官がコースを1周して、曲がり方(普通車とは内輪差が違う)、ブレーキの踏み方などを軽く説明され、運転を替わる。

 当然の結果、ハンドルやブレーキ以前にクラッチとギアチェンジでいっぱいいっぱい。発進の度にエンスト、止まる度にエンスト、ブレーキもメチャクチャ効きが良いので踏み過ぎてつんのめる。隣で教官の体がガックンガックンしてるのが目に入って申し訳なくなってくる。

 カーブや右左折時、普通車は角に沿う感じで曲がるが、中型車だと車線の半ばまで出てから曲がる感じになることだけは何とか理解した。サイドミラーを見ていると、それで後輪がギリギリ脱輪しない感じである。

2時間目

 2時間連続の予定なので、10分休憩後に続き。「S字に入ってみましょう」と言われるが、相変わらずMTの操作ができずにエンジンはガクガク、後輪は脱輪しまくり。クランクも似たようなもの。

 最後に一通りやっておきましょうということで、隘路と路端停車・発車、方向転換も1回ずつやって終了。最初から補習は見込んでいたが、やはり5時間で出来るとは思えない。辛い。

路端停車・発車

 簡単に聞こえるが、路端と停車位置の前方にポールが立っていて、止まる時に当てないのは当然として、発車時に当てないようにしないといけない。

 前方ポールに当たる奴はいないと思うが、側方のポールは車体後端を当てる危険があることと、それを目視で確認しながら発車しなければならず、意外と面倒。

隘路

 車幅ギリギリの幅で引かれた2本の線の間に右折あるいは左折で入って線内にぴったり止めるというもの。

 文字通り狭い道に入るときを想定しているようだが、右左折から止まるまでの間は線を踏みまくり(というか踏まないのは無理)なので、現実の側溝や壁のある道に応用するのは無理だと思う。

3時間目

 日は変わる。ちなみに、中型限定解除修了検定の課題は、S字、クランク、隘路、路端停車・発車、方向転換である。坂道発進縦列駐車がないだけマシ。

 

 MT車の運転を5時間で出来るとは思っていなかったので、それほど落ち込まずにいられたのは、現状では上々でしょう。これでも精神病んで休職中なので。

 

 基本的な運転と課題は既にやっているので、後はひたすら練習タイムである。半クラと停車時にはさっさとクラッチ切ることを(身体が)思い出して、ブレーキを踏む加減も少しは掴めたらしく、前回を考えると普通に運転できるようになってきた。

 

 S字とクランクで脱輪しなくなったのは大きい。一番難しいのは隘路で、線を踏んで止まるとアウト。切り返しは3回まで出来るが、その時に前と後ろに超えてはいけないラインが設定されていて、そこを超えるとやはりアウトなので、一発で入れたい。ここを一番練習した。

4時間目・5時間目

 MTの操作にもすっかり慣れ(ただし教習所内でちんたらやってていいなら)、中型車そのものの運転感覚も掴んできて、ひたすら検定コースの走行を繰り返すだけ。最初の不安は過剰だったようで、意外と何とかなった感じ。

修了検定

 大特の検定では、一般的な安全確認が足りなくて随分減点されたようなので、信号や交差点、車線変更時など、傍目にもはっきり分かるように左右確認をした。課題は無難にこなすことができた。

 

 総評。左(サイドミラー)の安全確認が不足していたとのこと。ミラーが路端のポールにぶつかりそうで怖かったと言われた。目線で確認してぶつからないと確信していたのだが、試験において目線だけの確認はしてないのと同義だし、何にしても近すぎたらしい。こちらとしては、右側が車線を外れないかの方が気になっていたのだが。

 点数は90点だったので、減点項目に触れるようなことは少なかったようだ。

終わりに

 教習を決める前には、ペーパードライバー講習でマニュアル車の練習をしようかと考えもしたが、案ずるより産むが易し。ほぼ20年前とはいえ、普通車免許を取れる程度にはマニュアル車を運転した経験は死んでいなかったようだ。

 

 しかし、教習車は中型(8t限定)でも運転できるサイズとほとんど変わらないというのは恐ろしい。だって、どう考えてもほとんどの免許所持者は運転できない。

 もちろん、昔の普通車免許も同じ状態だったわけだが、それではいけないということで免許の区分を細分化したのに、旧普通免許所持者全員を中型(8t限定)に移行させたのは愚行としか言いようがない。

 多少手間をかけてでも、中型車を運転していた人だけを中型車免許にして、普通車しか運転しない人は普通免許(現行)にすべきだった。中途半端良くない。

 

 なお、限定解除は免許更新はせず、裏書されるだけらしい。